おすすめ度 ★☆☆☆☆ ※子どもと観た場合の評価 | 上映時間 2時間12分 |
実話・伝説の狙撃手の自伝「アメリカン・スナイパー」
「アメリカン・スナイパー」は、映画おすすめサイトで紹介されていたもので、レビュー評価も高く、実話というところに惹かれ観てみることにしました。
電車で移動中に映画を観て、子どもと観れるものかどうかチェックをしているのですが「アメリカン・スナイパー」は、低学年の子どもとは観ない方がいいです。。。(^^;)
主人公のクリス・カイスがスナイパーとして敵(女性、子ども)を射殺するシーンが出てきます。
「そこ撃つのか、えっ、撃つのか?」
あまりにも残酷でした。
通常、女性子どもに銃を向けるということはないのですが、わけあって標的となってしまいます。
クリスも司令部と連絡を取りながら引き金を引くギリギリまで迷いがあったものの、何もしなければ味方が犠牲になってしまうことから、迷いを絶ち射殺します。
女性・子どもを射殺したのは、これが最初で最後だったそうです。
小学校低学年の子と観た場合の評価は「★1つ」ですが、個人的には「★5つ」です。
アメリカのプロパガンダという評価もありますが、現代の戦争をリアルに伝える内容で、戦争ネタが苦手な人にもおすすめしたい作品です。
戦争と家族。
戦地に多くの兵士が赴くということは、その陰にたくさんの家族が涙しています。無事国に戻ることができても負傷、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、人格の変化に悩む兵士、家族がいるとありました。
2003年~2009年の間に4回派遣されたクリス・カイスの実体験はあまりにも生々しく、
「これが戦争なんだ」
と改めて ” 戦争 ” というものを考えさせられる内容でした。
ちなみに「アメリカン・スナイパー」は、世界興収5億4742万ドルを超える大ヒット映画。
鑑賞後、戦争映画でもう一度観たいと思えたのは、これが初めてのような気がします。
主人公のクリス・カイスとアメリカ海軍「SEALs」
主人公のクリス・カイスは、実在した人物でアメリカ海軍「 SEALs 」という特殊部隊に所属していました。
特殊部隊「 SEALs 」は戦闘エリートとしても知られる存在ですが、訓練に耐えられず除隊してしまう志願者がほとんどで、2年以上にも及ぶ訓練をクリアできる人はごくごくわずか。クリスは見事に訓練を乗り越えたひとりでした。
↓ ↓ ↓ これが「SEALs」の訓練で、戦闘に必要なあらゆるものが含まれています。
基礎水中爆破訓練 | 米軍の中でもっとも過酷とされる訓練 |
基礎訓練課程 | ブーツを履いて4マイルランニング、フィンをつけて2マイル水泳、丸太担ぎ、ゴムボート訓練など極限まで追い詰める体力訓練 |
水中工作の基礎訓練 | スキューバダイビングなど |
地上戦訓練 | 銃器や爆発物の取り扱いや精密射撃・長距離偵察・ロッククライミング・航法・隠密潜入など |
空挺降下訓練 | 降下と着地の基本技術・夜間も含めたパラシュートを使った降下など |
SEAL資格訓練 | 通信技術、舟艇操縦技術、近接戦闘、狙撃、空挺降下など |
基礎寒冷地海洋訓練 | 寒中訓練 |
水中順応訓練(溺死防止訓練)というものもあるのですが、
なんと両手首両足首をロープで縛りプールに投げ込まれるというから驚きです。考えただけでも恐ろしいですね。この状態で20分以上も水面に浮いていなければならず、さらにプール底のフェイスマスクを拾ってくるという一般人には到底クリアすることのできない超ハードな訓練内容となっています。
映画で隊員仲間の会話に
「お前はSEALs出身なのか?」
「マジか、すげえな(顔の表情で判断)」
という尊敬するような目で見られる場面があるのですが、上記訓練内容を見れば理解ができるかと思います。これだけの訓練をクリアしないと「SEALs」隊員になれないということも頭に入れながら映画を観るとさらに興味深く鑑賞できます。
アメリカン・スナイパーのストーリー
さてさてストーリーですが、
クリスはイラク戦争で4回従軍し、ビルの陰から敵を射殺するスナイパー(狙撃手)として活動します。
公式発表で160名、本人報告では250名以上を狙撃したとされています。これは米軍史上、狙撃成功の最高記録で、味方からは「伝説(レジェンド)」とたたえられていました。
マクミランTAC338という銃を使用して、約2㎞先にいる対象者の狙撃に成功したとも記録されています。敵軍からは「ラマディの悪魔」という異名で呼ばれ、クリスの首に懸賞金がかけられるほど恐れられていました。
クリスは、計4度戦地に派遣されてますが、
最初に狙撃した相手は、海兵隊の進行する経路上に手りゅう弾を仕掛けていた子連れの女性で、女性を標的にしたのはこれが最初で最後とも語っています。この女性が連れていた子どもも不審な行動を取ったため射殺しています。
優しい心の持ち主だったクリス・カイスも戦地から戻ると人が変わってしまい、家族と過ごしていても ” 心ここにあらず ” 。
妻であるタヤ・カイルも
「戦争は人間を変えてしまう」
と述べています。
「SEALs」出身者の離婚率が90%にも及んでいることから、タヤ自身も難しさを感じていたように思います。
特殊な役割を持つスナイパー(狙撃手)を主人公にしたストーリーで、その存在を知る機会にもなり、兵士を待つ家族の想いや、過酷で残酷な戦争の実態が見事に表現された映画でした。
息子がもう少し大きくなったら、一緒に観賞してみようと思います。
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